テーマ「あなたの仕事と幸せの関係?」
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テーマ「あなたの仕事と幸せの関係?」
先週の会長の時間では、お金と幸せについてお話しましたが、本日は、仕事と幸せについて話して見たいと思います
仕事を通して得られる人生の目標と幸福の係わりについてですが、お金と同様に、仕事は人生に幸福感をもたらす大きな要因の一つと考えられます。
しかし仕事がつらい、面白くないと悩む人も少なくありません。ではどうすれば仕事に遣り甲斐を持つことができるようになるのでしょうか?
世界での日本の幸福度は43位
2013年、国連が世界の幸福度を発表しました。1位デンマーク、2位ノルフェー、3位スイスなど北欧諸国が上位を占めました。41位韓国、42位台湾、43位にやっと日本でした。
戦争などの大きな社会不安もなく物質的に恵まれた暮らしをしている日本、なぜこのような結果が出たのでしょうか?
終身雇用制度が崩れ経済の将来に展望が開けない日本では労働環境がますます厳しくなっています。そして日本の現代社会は働く人に与えるプレッシャーがとても大きくそれが日本人の幸福感に影響しているのかも知れません。
ポートランド州立大学心理学部ロバート・ディーナー博士は日本人の幸福度が他の先進国に比べてなぜ低いのか次のように述べています。
日本人とアメリカ人とでは文化的に大きく違っています。それは自分を見つめる考え方の違い視点の違いに現れています。典型的なアメリカ人は個人主義で自分をユニークな存在と思っています。つまり自分の内から外へという視点で世界を見ています。
そしてアメリカ人は常に自分自身に問いかけ自分の目標、望み、価値、心理状態について考えているのだそうです。
日本を含むアジアの国の人々は少し違います。世界を見るときに外から内へという見方をします。ちょうど自分が舞台に立っているように捉え、他人の目にどう映っているかを常に意識しています。自分自身がどう思うかは後回しです。それが日本人アジアの人々にとって大きなプレッシャーになっているのでしょう。
責任や義務を果たすために旨くやらなければならないと感じてしまいます。自分や家族、内輪の評判をすごく気にする日本人には、これらのことを心配しなければならない無言のプレッシャーがあり、それが不安感を増すことにつながっているだと思います。と述べています。
人生にとって必要な要素
1.仕事、2.目先の利益を超えた理想、3.高い目的意識、4.社会に繋がっているという実感、の四つだそうです。
最も重要なのが仕事、他の三つも多くの人の場合、仕事に関係してくる要素になります。つまり仕事こそが人生を有意義に送るために欠かせないものだったのです。仕事とは社会に繋がって自己実現をするという手段ですから、仕事をすることは幸せになる為にするものである、といってもいいと思います。
人生の目標は幸福度と関係があります。外の世界に出てポジティブに仕事をし、何か影響を残すことが幸せをもたらします。また個人的な成長と他人に係わりながら果たしていく目標が合致すると人は幸福に仕事が出来るという結果が出ているそうです。
人と仕事の関係は大きく三つに分類できる
人が仕事にどのような意識をもっているかによって分類されたもので、誰もがこの内のどれかに属すると考えられます。それは仕事のどこに満足できる点を設定しているかによります。
一つ目はジョブ、仕事を単なる労働と位置付ける人たちで、働く理由は報酬です。仕事がそれほど好きでなく心待ちにしているのは、休憩時間や1日の終わりにタイムカードを押す時、よりよい仕事が見つかればいつでも転職します。
ジョブは特定の職業とは限りませんバスの運転手もいれば高収入の弁護士や勤務医もいます。職種ではなくあくまで働く動機を基準にしています。
二つ目はキャリア、ここに属する人たちの働く動機は経歴、向上しているという実感です。彼らはより大きな力や地位、よりよいオフィス、より大きなプロジェクトを求めています。したがって目の前の仕事をもっといい何かの踏み台とみなします。
三つめはコーリング、この人達にとって仕事は天職です。社会の役に立っている、自分の仕事には深い意味がある、という実感が働く動機になっています。
コーリングに属する人たちは往々にして例えお金をもらえなくてもこの仕事をやると言います。仕事が自分のアイディン・ティティと深く結びついているのです。コーリングは社会的意義を感じて働くため、大きなストレスもなく集中力をもって仕事に取り組めているので最も幸福度が高くなります。すなわち仕事に遣り甲斐を見出しているのです。
ここまでお聞きになって少し変だなと思いませんでしたか、今まで言ったポジティブ心理学の話は、個人が個人のレベルで仕事と幸福を追求する、即ち個人レベルでの仕事を天職と考えて、働く遣り甲斐を話しものです。経営者自身の幸福ではありません。
ロータリーの幸福論
今から100年前に唱えたシェルドンの奉仕理念、すなわちロータリーの職業奉仕による幸福論は少し違います。職業をマックス・ウェーバーの天職論とは考えていません。実業人・経営者として、従業員そして取引先全員の幸せについて、利己と利他の調和、取引に係わるすべての人についての幸福について述べています。
シェルドンは価値ある幸福の要素を三元法で説いています。
L(ラブ)は「仲間からの愛情」、「他人からの尊敬」を表します
C(コンセンス)は「曇りのない良心」、「自尊心」を表します
M(マネー)は「物質的な富」、「報酬または利益」を表します
その真中にH(パッピー)=「幸福と満足」があります
他の人々からの愛情や尊敬を受け、曇りのない良心と自尊心をもって、仲間との毎日取引した結果として物質的な富、即ち報酬や利益を得ることは、事業を営む人として、この上のない幸福と言うべきでしょう。
この理念は古めかしいものではなくもう一度、ロータリーの幸福論として日の目が当たればと思います。