テーマ「お金はあなたを幸せにしますか？」
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テーマ「お金はあなたを幸せにしますか？」
先週は「幸せ」の感情度を上げるのには、三つの要素、人との交わり、親切心、ここにいることが必要だと申し上げました。年末に歳末ジャンボくじを買われた方も多いと思いますので、今日はより具体的にお金と幸せについて話して見たいと思います。
「お金と幸せ」、私たちが漠然と考える永遠のテーマですね。そして今までは哲学や宗教の話と考えられていましたが、これに対しても科学的に解き明かそうと分野を超えた研究が進んでいます。私たちは、収入が増えると、それにしたがって幸せの度合いが高くなると考えていました。
しかしながら、最近のアメリカの研究では、年収７万５０００ドルに達すると、それ以上年収が増えても幸福度は頭打ちになる。たしかに生活の満足度は所得と共に上がっていくのに対して、幸福度はそれ以上に上がらない。
すなわち、必ずしも物質的満足度と幸福度は比例しないのだそうです。ですから収入では７万５０００ドル、日本円にして７５０万円が一つの目安になりそうです。
確かにお金持ちは貧しい人より幸せだがその差は大きくなく、お金が幸せに与える影響は皆さんが思っている程では無かったのです。
宝くじに当選すれば幸せになれるのか？
多くの人は宝くじに当選して、いきなり大金を手にしたら、あらゆる物を買いまくって独り占めにしたいと、考えるでしょう。私も色々妄想するほうです。皆さんはいかがですか。
でも皮肉なことにここ１０年間の幸福学の研究によると逆の結果を示しています。お金から幸せを得るためには「消費とは反対のことをすべき」と。すなわちお金の使い方に秘密があるといっています。
幸せになるためのお金の使い方３原則
幸福学で言う、幸せになる為のお金の使い方の秘密とは。経験を買う
先ほどの宝くじで２５万ドルに当選したとしたら、どうするか。家をたてるか？それとも民間宇宙旅行のチケットを買うのか？最近では２５万ドルで宇宙旅行のチケットが発売されたそうです。
まともなファイナンシャルは大きな家の購入を勧めるはずです。しかし幸福学では、「経験」にお金を使う方が幸福度は高くなる。すなわち旅行やご馳走を食べる方が物を買うより幸せを感じると言っています。
近年ドイツで、家に不満があって引っ越しした人に大規模な調査が行われました。引っ越しから数年後人々は家に対して大変満足していました。
しかし人生の幸福度には変化ありませんでした。すなわち、家に対する満足度は引っ越しを境に上がっているのに対して幸福度は変わらなかった。
たとえ理想的な家で暮らしたとしても、それによって得られる物質的満足度と幸福度は同じではないことを意味しています。
先ほどの宇宙旅行のパンフレットには、小説「トム・ソーヤーの冒険」で知られるアメリカの作家マーク・トウェインの言葉「したことよりも、しなかったことのほうが２０年後に後悔することになる」とだけ書いてあるそうです。
人が支出の面で一番後悔しているのは、お金を使わず逃した経験だそうです。みんなが楽しんだ旅行に自分だけ行かなかった様なことです。それに反して物質は購入して後悔することが多いのだそうです。昨年買ったパソコンがまた新型が発売されたとか、物質は簡単に比較でき、人より劣ると後悔します。
しかし、経験は比較できるものではありません。自分が行った旅行と他人が行った旅行はどちらが楽しかったかなど比較できません。これが他人と比較して後悔することを防止しています。こうした社会的経験こそ物質よりはるかにおおきな価値を生み出す要因になっています。
貴方が人生の物語を豊かにしてくれるユニークで忘れがたき体験を増やす「体験の履歴」にお金の使う傾向が強い人かどうかは次の事でわかるそうです。
旅行をプレゼントされました。一つは綺麗なビーチサイドのホテルもう一つは氷のベッドがあるアイスホテル、さてどちらを選びましたか？
どちらを選ぶかは腕時計を見ればわかるそうです。腕時計の時間を数分進めている人は、時間を最大限使おうとする傾向が強く、経験の履歴を膨らませる為に、あえてアイスホテルに泊まることを選ぶ傾向が強く。時計が数分遅れている人はビーチサイドのホテルを選ぶ傾向が強いのだそうでする
どちらにしても、物を買うより経験を買う方が幸福感を得やすい。その理由は、記憶に残り、自分だけの個性を感じ、他人との社会的価値を共有することにあります。他に幸せになるお金の使い方には②ご褒美化、③他者への投資、と後２つありますが、これについては、いつかまたお話してみたいと思います。
