テーマ「女たらしは、人たらし？」
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テーマ「女たらしは、人たらし？」
「女たらし」という言葉がありますが、それと同様に「人とたらし」という言葉もあります。この言葉の意味は、「人を騙すこと」、「人を騙すその人の自身」の事です。女たらし同様、あまりいい意味の言葉ではありません。
しかし、人を騙すというよりも、人を乗せていい気分にさせる、そんな人は良い「人たらし」だと言われます。あらかじめ草履を温めておいて、織田信長の信頼を得た豊臣秀吉の例をあげれば解りやすいと思います。そして秀吉は、この「人たらし」で軍師竹中半兵衛や黒田官兵衛をも家臣にしてしまいます。
「できる」人は皆が皆、良い「人たらし」なのです。関わった人を、上手に乗せつつ、いつのまにか自分の思い通りに動かしてしまっている。騙していると言えば、騙しているのですが、騙されている方にその意識はなく、むしろ喜んで乗ってあげている。そんな感じです。
突然の訪問客
例えば、突然、知人が訪れて来たとしましょう。そんな時、皆さんならどう言いますか？
①「突然、何なんだ？前もって電話してくれよ！」
②「おお、よく来たなぁ、まぁ、あがれ、あがれ」
③「お前は相変わらずすごいなぁ、俺が会いたいのがよくわかったなぁ」
この三つを比較してどんな印象を受けますか？
①番の「突然、何なんだ？前もって電話してくれよ！」と言った方は、とても正直な方で、ちょっと迷惑なんでしょう。だから、そのニュアンスが出てしまっています。相手が借金の相談で、本当は来て欲しくないと思っているなら、この解答が正解です。
しかし、そうでなく結局は家に上げるのであれば、②番の「おお、よく来たなぁ、まぁ、あがれ、あがれ」で対応するのも、大人のやり方なのです。
ここでもっと言うと、もう結果が変わらないと判断した時には、一切不平や愚痴を言わない、というのも「できる」人の手法です。
②番の「おお、よく来たなぁ、まぁ、あがれ、あがれ」はどうでしょう。普通のリアクションです。特に悪くはありません。しかし、③番の「お前は相変わらずすごいなぁ、俺が会いたいのがよくわかったなぁ」と比べると違いがあります。
これこそが「人たらし」の答えなのです。相手の訪問を少しでも喜ぶ思いがあるなら、それをできるだけ誇張したうえで言葉にかえて相手に伝える。これが「人たらし」のやり方です。そのやり方は、主に三つあります。
誇張して
先ほどの例はこれです。気持ちが少しでもあるのなら、それをできるだけ誇張したうえで言葉にかえて相手に伝えるのです。決してウソをついているのではありません。相手は、調子のいい奴だなぁと思うかもしれませんが、気分としては悪くありません。それで、こちらの為に動いてくれる事にもつながります。
また、お礼も「実は、もう無理だと思っていたのに、ここで助けてくれるとは！本当に君は頼りになるよ。ありがとう」といった感じで、ウソをつくのではなく、心の中の思いを誇張して相手に伝えるのです。
わざとらしいと思う人もいるかもしれませんが、実際に使ってみると、案外自然に感じられるものです。安心してお使いください。
褒める
人に動いて欲しい、さらに人を育てたいと思うなら、一番の基本はやはり褒めることです。「やって見せ、言ってきかせて、させてみて、褒めてやらねば、人は動かじ」という山本五十六の言葉です。
戦前さえこうだったのですから、現代の若者に対しては、少しでも評価するところがあると思った時には、その思いを目いっぱい誇張した言葉に換えて褒めることが大切です。
人は褒められると嬉しいものです。そしてさらに頑張ろうという気分にもなれます。大げさに褒めて何が悪い、そんな気持ちで褒め上手になって下さい。
特別扱い
これが一番難しい。人は誰もが自分だけを特別に扱って欲しいと思うものです。そして特別に扱ってくれる相手に対しては、特別に頑張ろうと思う精神構造を持っています。
しかし、この手法が難しいのは、この人は、全員に対して「特別扱い」している、つまり、誰も特別扱いしていない事が明らかになると、一気に信用を失ってしまうことにもなります。
だから「人たらし」がこの手法を用いる際には、特別な機会に限定する細心さを持ち合わせています。
如何でしょうか？「こんなのできないよ」とやりもしないで言うのではなく、一度やってみて下さい。ちょっと言葉を変えることで、人の気持ち、更に行動が変わる事がわかると思います。
「人たらし」が出来れば、簡単に「女たらし」も出来るようです。また「女たらし」ができれば一流のセールスマンと言われるようです。
